崖の上のポニョ発売延期について思う事
先程、ニュースサイトにアップされていた情報ですが、理由を見て愕然としました。
「宮崎駿監督がCDを聞いて作業している場面が収録されていて、その楽曲の許諾を取っていなかったから」
あまりにも杜撰というか、幼稚というか…
たまには音楽ディレクターの目線でblogを書きますが、
ドキュメンタリー映像を撮る時に一番気を使うのが
音という部分に特化するのならば、
撮影中に意図しないのに入って来る街の環境音。
その環境音にはお店でかかってる有線やラジオ等があり、
その音楽や喋りには守られるべき権利があります。
それに映像の部分も考えると下手したらお店の看板や
周りに写ってる街の人々にも権利があるので
とても慎重に気を使って撮影を進めるのが大前提です。
特に僕は音楽をメインとしたディレクターだからかもしれないけど、
タクシーの中の映像を撮ろうと思ったら運転手さんに
「ラジオ切って貰えませんか?」
どこかのお店の中での撮影だったら店員さんに
「BGM切って貰えませんか?」
このお願いは絶対にするべき事なのです。
でも当然それで全て入って来る音楽をカット出来る訳ではないので、
そこは編集技術で音楽部分だけノイズとして取り除いたりとか、
色々な苦労をそこでしてるわけです。
それでも取り除けない場合は、その部分をカットするか
楽曲の使用許諾を著作権管理団体(大概はJASRAC)にする訳です。
使用許諾については説明しませんが、諸々の諸手続きを全て
クリアして、やっとドキュメントの作品は完成させられる。
こんなのはこの仕事をしていれば常識のはずなのに、
パッケージの発売日になって、それに気付くとはあまりにも杜撰で
何とも言えない気持ちになります。
まぁ、こういう書き方は良くないですが、
所詮「テレビで放送したものをまとめてパッケージにした」という
意識しか制作者にないからでしょう。
というのも、国内の主要テレビ局(地方局も含む)はJASRACと包括契約という者を結んでおり、
いちいちオンエアされた中で使われた音楽を事細かに仔細に報告する必要性が無いので、
その感覚のままパッケージにして発売したのでしょう。
実は宮崎駿監督のドキュメントは数回NHKの放送で見ていました。
内容もしっかりしてたし、今まで語られる事が宮崎駿という人物像に迫った番組だな〜と思ってたんですが、
そういう意識の低い制作者が作ってるのか…と思うとなんだか見え方が変わっちゃいます。
こういう初歩的ミスは我々制作者は気をつけなくてはいけませんね。本当に。